『ウエストミンスター小教理問答 第27問』

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『ウエストミンスター小教理問答 第27問』

『ウエストミンスター小教理問答 第27問』 2013年5月26日

問27 キリストのへり下りは、どの点にありましたか。

答  キリストのへり下りは、次の点にありました。キリストが生まれられたこと、それも低い状態であられたこと、律法のもとに置かれたこと、この世の悲惨と神の怒りと十字架の呪いの死とを忍ばれたこと、葬られたこと、しばらく死の力のもとに留まられたことです。


 驚くべきへり下り

 キリストのへり下りは、私たちの理解をはるかに超えています。キリストがどれほどの高さから、どれほどの低さへと下られたか、ただ讃美するのみです。

「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。」(フィリピ2:6-8)


 キリストの地上のご生涯は、そのお誕生からへり下りでした。彼は

「布にくるんで飼い葉桶に」寝かせられました。宿屋には、彼とその両親の泊まる場所がなかったからです。(ルカ2:7)


 キリストこそ、律法を授け、律法によって人々を裁くべき御方でした。しかし、その御方が、「律法の下に生まれた者として」遣わされたのです。(ガラテヤ4:4)


 キリストは、この世の悲惨を忍耐されました。

「彼は軽蔑され、人々に見捨てられ、多くの痛みを負い、病いを知っている。」(イザヤ53:3)

また、神の怒りを忍耐されました。神の怒りに苦しみもだえながら、血のしたたるように汗を流して祈られました。(ルカ22:44)さらに十字架の呪いの死を忍耐なさりながら、

「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と大声で叫ばれました。(マタイ27:46)

 葬りも、復活までの三日も、キリストのへり下りです。御自分を無にしてへり下りたもうのでなければ、それらはどれも彼にふさわしいものではありませんでした。

「イエスが死に支配されたままでおられるなどということは、ありえなかったからです。」(使徒2:24)