『ウエストミンスター小教理問答 第25問』

| HOME |
| 論壇 |
『ウエストミンスター小教理問答 第25問』

『ウエストミンスター小教理問答 第25問』 2013年5月5日

問25 キリストは、どのようにして祭司職を果たされますか。

答  キリストが祭司職を果たされるのは、神の正義を満足させて私たちを神に和解(わかい)させるために、御自身をいけにえとしてただ一度ささげられたこと、また私たちのためにとりなし続けてくださることにおいてです。


 神に近づくために


 祭司の役割は、人々に代わって神に近づくことです。そして、人々の罪のための供え物やいけにえを献げます。その働きを一言で言えば、これです。

「大祭司はすべて人間の中から選ばれ、罪のための供え物やいけにえを献げるよう、人々のために神に仕える職に任命されています。」(ヘブライ5:1)

しかし、人間から選ばれた祭司たちが完全ないけにえを献げることは、決してできません。

「すべての祭司は、毎日礼拝を献げるために立ち、決して罪を除くことのできない同じいけにえを、繰り返して献げます。」(ヘブライ10:11)


 完全な大祭司キリスト


 キリストこそ、真の完全な大祭司です。
この御方によって、私たちの罪のために完全ないけにえがささげられました。

「この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。」(ヘブライ7:27)

まさしくキリストは、「多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた」のです。(ヘブライ9:28)十字架のキリストが、その死の直前にこう叫ばれたとおりです。「成し遂げられた。」(ヨハネ19:30)


 また、キリストは今も生きていて、私たちのためにとりなし続けていてくださいます。キリストは、その死をもって終わらず、三日目に復活して天に昇られました。

「この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。」(ヘブライ7:25)


 このような大祭司キリストがおられるので、私たちは自分の罪をどこまでも正直に厳しく認めつつ、神との交わりに生きることができるのです。


「自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、真理はわたしたちの内にありません。」しかし、「たとえ罪を犯しても、御父のもとに弁護者、正しい方、イエス・キリストがおられます。」(第一ヨハネ1:8、2:2)